マーケティング

【感情体験の意味】感情体験はデザインする時代へ。

最新のマーケティング、ビジネスにおいて、とてもホットで注目されているのが「感情体験」です。

この記事では、マーケティングのなかでも人の「感情」「体験」を中心に考える方法についてお伝えします。

感情体験とは?人が求めるのは、モノから体験へ。

かつでのビジネスでは「誰に何を売るか」という考え方が主流でした。

✔八百屋さんは、主婦に向けて「野菜が安いよ」と言うし、

✔不動産屋は、ファミリーに向けて「家族増えるなら、マイホーム買い時ですね」と言うわけです。

でも、いまや人々の思考や好みは多様化しています。

野菜は農家から直接買いたい人もいれば、そもそも料理をしない人もいます。

家だって、賃貸で十分です、という人も増えているわけです。

モノ自体の価値は、モノがあふれかえる世の中において、相対的に低くなってきています。

また、この背景には、メディアがマスからソーシャルへ移行したことの影響もあります。

消費者は各々の多様な価値観を持つ小さなグループに散り散りになりました。

そして、その小さなグループごとに、求める感情体験が微妙に異なってきているのです。

感情体験とは、たとえばこういうこと。

野菜を例に、話をしましょう。

かつて、主婦がみんな野菜を八百屋で買っていた時代が過ぎ、今は「野菜」ひとつとっても、購買行動は本当に多様になりました。

  • 農家と直接契約する人
  • オーガニック、無農薬、有機栽培のものを取り寄せる人
  • 仕事帰りに駅前のスーパーで買う人
  • 外食・中食中心の人
  • ネットスーパーや宅配で買う人
  • ショッピングモールに行ったついでの買う人 etc..

この人たちは、みんな同じ「野菜」を買いながら、違う感情体験を得ているのがわかるでしょうか?

オーガニックや無農薬の野菜を求める人は、

  • 安心感
  • 責任感
  • 罪悪感をあがないたい

そんな気持ちで、野菜を取り寄せているかもしれません。

外食で済ます人は、料理や片付けの面倒から逃れたい気持ちでしょう。

ネットスーパーを使う人は、家族のために料理をするという責任を果たしたいという気持ちと、自分の時間が欲しいとう自由、両方を半分ずつ求めているのかも。

そんなふうに、人々は野菜というモノではなく、感情体験を求めて、消費活動をしているわけです。

感情体験をビジネスに活用する

よくビジネスの塾などで「顧客」を知りなさい、と教えられます。

顧客=ターゲットからスタートするのが、ビジネスの基本だからです。

もちろん、それは間違いないのですが、いまや顧客を知るといっても、さまざまなアプローチがあります。

  • ペルソナとして性別・年齢・居住地・職業などの属性を定める方法
  • 顧客の深いレベルの悩みを突き止める方法 etc..

加えて近年では、

  • 顧客がどんな「感情体験」を欲しているかという視点

に注目するようになってきました。

たとえば、旅行にいけばオシャレなカフェで写真を撮ってInstagramで写真をシェアして、Likeがたくさん欲しい。センスのよい人だと認識されたい。

一体、この人は、どんな感情体験を欲しているでしょうか?

※感情体験の種類について、この記事の後半で説明しますので、予想してみてくださいね。

消費者の行動は複雑化していて、それにともなってマーケティングの手法も進化しています。

複雑な個人を捉える解像度をあげていく。相手が潜在的に望む、感情と体験とは?を意識する。

そういった視点が、感情体験を理解するために必要なのです。

感情体験の15の種類と具体例

  • 人々は、いったいどんな感情体験を欲しているのか?
  • 何に価値や意義を見出すのか?

15のリストに、まとめました。

感情といえば「喜怒哀楽」というイメージですが、実際はかなりのバラエティーがあることがわかります。

1.達成感

才能を発揮してゴールを達成したい、集中して生産的なことをしたい、自分自身を高めたい。

2.美しさ

感性はさまざまだが、美しいものに惹かれ、価値を感じる。美しさを理解したい、味わいたい。

3.クリエイティブ

自分の手で何かを創り出したいという欲求。

4.共同体への所属

共通点のある人たちの集団へ帰属したい欲求。学校や会社、宗教、趣味のサークル、さまざまな集団がある。

5.責任感

何かをやらなければ、という責任感。良い意味で、人は責任を果たしたいと感じている。

6.自己啓発

信頼できる、権威性のある情報を読んで、より高い視点を得ていると感じたい。啓発されている感覚は心地よい。

7.望まない制約のない自由

あまりにも自由すぎると不安になるものだが、望まない制約がない状態では、人はより行動的になれる。

8.調和、一貫性

言動の一貫性についてはよく言われるが、自分の身の回りのもののテイストや色、雰囲気などの調和も心地よいと感じる。

9.公正であること

フェアでありたいし、自分は公正であると信じたい。同様に、人からフェアに扱われたい。

10.一体感

周りの人たちと調和したい欲求。

11.罪をあがなう

よい意味で、過去の自分を精算したいと思うもの。ダイエットなどが好例。

12.安心感

大切なものを失いたくない。失わずに済むという安心感を手に入れたい。

13.本物であること

自分が信じるものは本物であり、まがいものではないと思いたい。誠実さや真実に惹かれる。

14.ステータスの証明

自分のステータスを、証明したい気持ち。ステータスシンボルとしてブランド品を身に着けるなど。

15.非日常感

非日常体験に、ワクワクして高揚する。

感情体験の意味を理解したら、感情体験を観察してみよう。

さて、ここからは感情体験という視点を、ビジネスに活用したい人に向けて書いていきます。

これまでは顧客の属性から生活スタイルを知ることやニーズを洗い出すことが重要視されてきたのですが、

今後はそれだけではなく、顧客がいったいどんな「感情体験」を欲しているのか、先回りして理解する努力が必要になります。

要するに、スタート地点の設定が違ってきます。

顧客にどんな感情を持って欲しいか?

この問いからビジネスをスタートするのです。

コンテンツを作成するときも、マーケティング戦略を考えるときも。

近年、顧客の感情体験をデザインするという側面がマーケティングそしてビジネスにおいてますます重要になってきています。

CXO(Chief Experience Officer)という体験の最高責任者を配置する企業も増えてきました。

個人の場合は一人経営ですからね。今日からあなたも私もCXOですね。感情に着目してみると、ビジネスはさらに面白くなるかもしれません。

【体験をデザインする】オススメの本を紹介

さいごに、体験デザインのための本を紹介します。

実際、この分野というのはまだ発展途上にあります。書籍もあまり多くはないのですが、一番面白くてわかりやすい本を紹介します。

ゲームの企画開発をしていた方が描かれている本なのですが

「どうやってゲームに夢中になってもらうか?」「ついついやってしまう」という体験をデザインするために必要な理論を解説してくださっています。

面白いです。オススメです。

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